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15階建てマンション=悪!?(その3)

今日は3回に分けて書いてきた「15階建てマンション=悪!?」の完結編です。

前回は14階建て、15階建てそれぞれのメリットとデメリットをあげ、15階建てのメリットには「敷地に対する建物形状(=空地形状)の自由度」があることを書きました。

今回は15階建てのデメリットとなる階高に関して書こうと思います。


■階高が低くても大丈夫?

まず最初に。

階高は物件ごと、部屋ごとに、14階建・15階建を問わず、個別に確認することが必要です。

非常用エレベーターなしの15階建てマンションでは階高が低くなる場合が多いことは前述の通りですが、14階建てだからといって貴方が買いたい部屋の階高が高いとは限りません。

また、「天井高と階高、どちらが重要か」にも書いたとおり、消費者の皆さんに目を向けて欲しいのは階高と同時に(階高よりも)天井高と建具高です。

同じマンションでも下階と上層階とで階高が違う場合も多くあります。

設計図にて、自分の部屋を個別に確認されることを強くお勧めします。


・建具高
身長1.8mまでの人の場合、建具開口枠下高さで2mあれば問題になることは殆どありませんが、15階建てだと物件と階数によっては専有部の入口スチールドア高が2mをきることもあります。注意してください。
また、低層階は高層階に較べて多くの荷重がかかるため、どうしても躯体の梁背(梁高)が高くなります。
そのため階高を統一した場合には、低層階は上階よりも入口スチールドア高が低くなる場合もあります。
気になるマンションは是非個々の物件ごとに、部屋ごとに図面で確認してみてください。
(現在は建具高を各階統一にした上で、低層階は梁背分階高を上げているマンションも多くみられます。)

その一方で、特にバルコニー側の梁に関しては近年扁平梁(高さが低く幅広の梁)を採用することでサッシュ開口高の低さを解消している事例がみられるようになりました。
以前も紹介した下図 三井住友建設のスキットシリーズはその一例ですね。

扁平梁(フラットビーム)を用いた住戸断面図

扁平梁を用いた住戸断面図(三井住友建設:スキット45)
http://www.smcon.co.jp/2011/0203958
(高層板状マンション「SuKKiT 45(スキット45)」を開発  三井住友建設 2011年)



梁が薄くハイサッシュを使えると、「日当たり」というよりも「採光」や「開放感」に違いが出るので環境面ではプラスになります。
当然梁を扁平にすることで出る構造上のネガは他の手法で補填しなければならないのですが、住み心地を考えると十分に元が取れる魅力的な仕様になりやすいですね(ハイサッシュ化による熱負荷の増大をデメリットにあげる方もいらっしゃるようですが、そこでの違いなんでなんてほんの微々たるもの。実質的には無視できます。)。


・天井高

一般的には天井高はリビングで2.4mあれば及第点と言われています。
三井住友建設のスキットシリーズは15階建てでもキワドくがんばって、天井高2.45mを確保しているようですね。

もちろん天井高なんて3m位までなら高ければ高いほど良いようなものなのですが、実用上、2.3mあればまず困ることは無いと思います。

その一方、マンションでは排気ダクトが天井裏に収まるバスルームや寝室部分でより天井高が低くなりがちです。
階高が低いマンションでは、リビングよりもこの部分で「実害」が伴うことがあります。

ちなみに建築基準法によって「居室」とみなせる部屋の天井高最低限度は2.1m。
勿論天井高が2.1mあればよいというわけではありませんが、15階建てのバスルーム(非居室)なんかだと、これに近い2.2m位の物件も多々でてきます。
このあたりも物件毎、部屋毎に違いが出てきます。
15階建てマンションに限らずですが、必ず個別に確認するようにしてください。

尚、15階建てマンションのデメリットとして「直床の遮音性の悪さ」を挙げている例を多く見うけますが、直床にするかどうかは15階建てか14階建てかとはまた別な話です。

実際には前回ご紹介した三井住友建設のスキットシリーズにあるように、15階建てでも二重床の採用も可能ですし、直床を用いて天井高を最大限に稼にいでいる物件もあります。(後者の方が消費者にとってはメリットが大きいと思います)

それとは別に「直床・二重床カテゴリ」で詳しく書いていますが、公的評価・性能試験において、現代の直床は二重床に較べて遮音性が高いと判断されていますので、そもそも直床を使ったとしても遮音性が悪くなることは無いといえます。
私は、消費者としては階高よりも天井高を見るべきと考えているので、天井高を向上させる手法としての直床はとても有効で合理的なものだと考えています。


■一長一短の選択肢

14階建てと15階建てのマンション。

これまで書いてきたように、実はどちらも低いコスト(非常用ELV無し)で容積を消化するために多少の無理をしています。

14階建てと15階建ての違いは、「平面プランや価格にしわ寄せが行っている」か、「階高にしわ寄せが行っている」かの違いがあるに過ぎません。

コストの低減策自体は建設行為において常に必要なものであり、それは適切に行うことで消費者のメリットにもなってくるものです。
コスト低減自体は悪いことではありません。要は「やり方」と「適性」です。


世の中には「15階建てだけがコスト削減の対象になっていてデメリットが存在する」というような印象を与える情報が多いですが、実際にはそういう一方的な話では無いということを頭に入れて判断するようにしてください。

同じ敷地で同じ建物平面配置・同じ分譲価格での比較を考えた場合、大きな差にはなりませんが、階高が低くて若干広い(=坪単価が安い)のが15階建て、階高が高くて若干狭い(坪単価が高い)のが14階建てということも出来ます。
また、15階建ての持つ躯体平面形状の自由度が生かされている物件であれば、その点もまた一つのポイントになります。

これらのどちらが好みか、どちらが適しているかは、住む人それぞれ、マンションそれぞれで違うもの。

そこを自分なりの尺度で、冷静に見極められるかどうかが重要なのです。


「14階建てなら一流物件」「15階建てなら三流物件」と一言で済ませては、消費者側で正しい理解が得られません。

そもそもマンションには

「便利な立地に住むために、多少の不便(住宅の集合化によるネガ)は我慢しましょう」

という、デベと購入者とが暗黙の上で合意した(!?)共通のコンセプトがあります(笑)


尚、階高の話をすると、現在のマンションでは15階建てか否かを問わず、非常用ELV無しの15階建てマンションと同様に階高が3mを下回るマンションが主流となっています。

階高と居住性、可変性の話をするのであれば、「15階建てマンションは良くない」という言い方ではなく、「階高が低いマンションは良くない」というダイレクトな言い方をすべきですね。


予算が無限にある場合を除き、マンション購入ではベスト・ベストの選択はできません。


15階建てマンションは「単純に避けるべきもの」ではなく、消費者にとってもメリットとデメリットがある「選択肢の一つ」であることを冷静に受け止めた上で、自分には何が重要かを見極め、自分にとってのmostベターを見つけてしていくようにしてください。


<追記>
これらのことは、元エクスナレッジふくろう不動産代表の中川氏も、
マンションは14階建ては良くて15階建てはダメという話は本当でしょうか?(2015.06.22)
で書いていらっしゃいますね。ご一読いただければと思います。


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